企画の進め方|【その2】仮説の構築と検証

ミーティング

企画の進め方【その1】では企画をスタートする前にやっておくべきこととして、
①背景と目的の明確化と全体の進め方の確認
についてお伝えしました。
詳しくは 企画の進め方【その1】 をご覧ください。

今回【その2】では、企画推進4つのステップのうち
②仮説の構築
③仮説の検証
についてお伝えします。
企画の中で最も重要なプロセスになります。

不明点やご質問があればできる限りお答えしますので、遠慮なくお問合せください。

■ ②仮説の構築

背景や条件を確認したら、いよいよ実際の企画のスタートです。
不安もありますが、企画マンにとっては一番ワクワクするプロセスですね。

企画の推進は仮説の構築とその検証と言っても過言ではありません。
大雑把でもよいので仮説を早期に立て、それをどんどん検証、軌道修正していくのが企画をすばやくまとめるコツです。

ここでは候補となるアイデアが既にあがっていることを前提とし、その後の企画をどのように進めていくかに絞ってお伝えします。
「アイデア自体をどのように出していくか?」については、「アイデアの出し方、つくり方」をご覧ください。

アイデアの候補がでたら、「企画構想」としてまとめていきます。
最初はラフで構いません。細部にこだわりすぎず、書けるところから全体を仕上げていくのがコツです。

私の場合は、「企画構想」としてパワーポイントで各項目ごとにページをつくり、自分あるいはチームメンバーが内容をどんどん埋めていく方法をよくとります。
何が課題かがよく分かるので、お奨めの方法です。

企画構想には次のような項目を整理していきます。
・プロジェクト名
・想定市場、想定顧客
・市場規模試算
・顧客ニーズ
・企画案(アイデア)
・商品/サービスイメージ
・競合情報
・自社の強み、差別化
・コンセプト、ポジショニング
・ビジネスモデル、マネタイズ案
・価格案
・売上規模感
・課題、調査中の項目など
・今後の活動内容とスケジュール

「企画構想」の目的は、予算をあて、体制つくり「企画」を進めていくかどうかを判断することにあります。
よって、この目的にあう内容と粒度で効率よくまとめていきます。

企画の進め方【その1】でお伝えしたように、企画にGOサインを出す承認者によって要求される内容やレベルが異なります。
要求される内容やレベルが「企画構想」の中にきっちりまとめられているか、あらかじめできる限り確認しておいてください。
「企画構想確認会議」などを開催し、段階的に確認していくのがよいでしょう。

承認者や関係者への会議やプレゼンテーションでは、予算や体制構築、協力依頼など何を決めてほしいのかを明確にし、依頼します。
そして決定事項や課題を必ず議事録に残します。
情報提供や進捗報告のみであればそのように定義し、意見やアドバイスをもらいましょう。

それでは先ほどの項目を1つずつ詳しく見ていきましょう。

・プロジェクト名
メンバーや関係者のモチベーション
があがり、かつ呼ばれやすいプロジェクト名をつけましょう。

商品などがシリーズとして続く場合はシリーズ化できるプロジェクト名もお勧めです。

・想定市場、想定顧客
想定する市場や顧客の状況をまとめます。
世の中の大きな動向(マクロ動向)が簡単にまとまっているとよいでしょう。

・市場規模試算
新聞、インターネットなどの第三者の記事やデータがあると説得力がでます。
無い場合はざっくりでよいので試算しましょう。

・顧客ニーズ
市場や顧客の課題、ニーズをまとめます。
顧客がそれを得られるとさらにどうなるのか、真のニーズまで深堀りします。

・企画案(アイデア)
”誰の、どのような課題を、どのようにして解決するのか?”  の視点でまとめます。
できる限り図示化します。
カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)やカスタマージャーニーを意識し、顧客視点でも整理します。

・商品/サービスイメージ
費用をそれほどかけないで作成できるイラストやイメージモックなど、できる限り形にします。

商品であれば大きさや形をイメージできるもの、WebサービスであればGUIイメージ、その他のサービスもパワーポイントスライドやドキュメントだけでなく、具体的にイメージしてもらえるモノを早期につくるのがコツです。
説得力が格段にあがります。

・競合情報
競合情報を調査しまとめます。

直接の競合だけでなく、脅威となる恐れがあるものはあげておきます。

・自社の強み、差別化
競合に対する自社の強み、差別化ポイントをまとめます。

他社参入障壁が高いほど強い企画となります。
ここが弱い場合は他社の参入、特に強者の参入が想定課題となってきます。
商品やサービスの機能についての優劣比較表をよく見ますが、コンセプトの違いや強みを明確にしてください。

・コンセプト、ポジショニング
企画案の項目で語ってもよいですが、競合情報も踏まえてコンセプト、自社ポジショニングを改めて語るのが分かりやすいかと思います。

説明しやすい方法で構いません。
この時点でキャッチコピー案やカタログイメージが明確になっているとベストです。

・ビジネスモデル、マネタイズ案
既存カテゴリーの新商品では不要な場合もありますが、新規事業の場合は重要になるポイントです。

どのようにお金を得るのかを明確にします。
企画案自体がビジネスモデルと直結している場合は企画案で説明してください。
サービスビジネスの場合は特に重要な項目です。

・価格案
・売上規模感
まずは想定やイメージで構いませんので、価格案とそれに基づく売り上げの規模感を整理し、期待にあっているかを確認します。

ベストシナリオとワーストシナリオのように上手く行った場合とそうでない場合の幅を持たすのもありです。

・課題、調査中の項目
確認できている課題、想定される課題をピックアップします。

対策案がある場合は粗くても構いませんので触れておきます。
また調査必要と考えている項目も整理しておきます。

・今後の活動内容とスケジュール
今後の活動内容や進め方とスケジュールをまとめます。

図示化できる場合は図示化しておきます。

先にも記しましたが、現状全体を整理することが目的ですので、きれいに書く必要はありません。
また、仮設のまとめの段階ですので、検証としての詳細調査は次の段階になります。
全体を網羅しまとめると、全体の把握ができるとともに課題のプライオリティが見えてきます。そこからどんどん解決していきます。

■ ③仮説の検証(PDCAをまわす)

ラフな形でも仮説がまとまったら、検証を進めていきます。
仮説の構築と検証は併行してどんどん進めます。

検証は以下の観点で進めます。
・企画の意義、プロジェクトのミッションが明確か
・ビジネス可能性
・実現可能性
・致命課題はないか
・その他の課題確認と対策案

観点ごとに見ていきましょう。

・企画の意義、プロジェクトのミッションが明確か
企画の意義やプロジェクトミッションが明確であればあるほど、内部に対しても外部に対しても強い企画となります。
社外に対してしっかりとしたミッション、理念が提案できそうかを確かめます。
プロジェクトのミッション、理念についてはこちらをご参照ください。

・ビジネス可能性
仮説で粗く設定した売上プランとコストを確認していきます。

管理部門など専門の部署がある場合は、確認を依頼するか協力してもらい第三者の見解を入れることをお勧めします。
売上は期待できる売上(ベストシナリオ)とリスクを想定した売上(ワーストシナリオ)を試算しておきます。
コストは初期費用だけでなく、ランニングコスト、メンテナンスコストも想定します。
その他、期待できるオポチュニティ(ビジネス機会)と想定されるリスクも可能な範囲でピックアップします。

・実現可能性
技術的な実現性、コスト、スケジュール、課題を確認します。

内部開発で、自社エンジニアや関係部署と外部委託や外部パートナーとの協業の場合はパートナーとの確認となります。
まだパートナーが決まっていない場合は候補を探しヒアリングします。
かかる費用については規模感だけでも確認しておきます。
複数社にコンタクトすると様子が分かります。機密事項は気を付けて取り扱いましょう。

・致命課題はないか
致命課題がないかは重要です。
解決できない致命課題が見つかった場合は、軌道修正するか代案を検討します。

・その他の課題と対策
その他解決すべき課題と対策を洗い出します。
これらが今後のTo Doとなっていきます。
多少難しいくらいの課題は逆に強みに変えていける可能性があるとも言えます。
しっかり確認、検討しましょう。

これらを加味し、仮設で整理したまとめをブラッシュアップしていきます。
企画の推進はとにかく「仮説→検証→課題→仮説」 の繰り返しです。
高速でどんどん回していきましょう。

企画構想が進むにつれてまとめの粒度も上げていきます。
さらに、以下のような項目を追加していきます。

・想定顧客(ペルソナ)のストーリー
・商品・サービス開発への要求事項の整理
・法的項目の確認
・商物流、販売ルート
・社内外の体制
・想定されるリスク
・中期構想
・撤退リスクの確認

1つずつ見ていきます。

・想定顧客(ペルソナ)のストーリー
代表となる想定顧客(ペルソナ)を設定し、シミュレーションしていきます。

いろいろ課題が見えてきますので、整理していきます。
できる限り細かく緻密なシミュレーションを行い、ストーリーとして整理するのがコツです。
顧客になった想定でも整理します。
ペルソナの設定方法はいろいろな情報がネットにありますので参考にしてください。

・商品・サービス開発への要求事項の整理
商品やサービス、アプリケーションなどの開発への要求事項を整理します。

開発チームや外部委託先への見積もり依頼にも必要となるので、まずはそのレベルでまとめていきます。
プロトタイプもブラッシュアップしていきます。

・法的項目の確認
ビジネスによっては法的規制などが絡んできます。

どのような法的規制があるのかを確認します。
外部パートナーとはNDA(秘密保持契約)やどのような契約が必要になるかも洗い出しておきます。

・特許の確認
抵触しそうな外部特許がないかについてもこの時期に粗くでも確認しておくことをお勧めします。

また、自社で特許を取得できそうなネタがある場合は可能性を検討します。
弁理士など専門家の協力も仰ぎましょう。

・商物流、販売ルート
商品がある場合は物流、サプライチェーンを整理します。

販売ルート、商流も整理します。

・社内外の体制
社内外の関係者も増えてきますので、体制を明確にしていきます。

体制図をかき、役割と責任を明確にしていきます。

・想定されるリスク
将来想定できるリスクを可能な範囲洗出します。対策案もざっくりでもよいので記しておきます。

・中期構想
導入までのスケジュールだけでなく、粗くでも3~5年を想定したビジネスプランを整理しておくのは重要です。

2号機やサービスのバージョンアップをいつ頃どのようにしていくのかなど中期的な構想を整理します。

・撤退リスクの確認
ある程度企画が進んでくると課題も見え始めたり、テスト導入なども計画されてくると思います。

企画がそのままズルズルいかないように、リスクを考慮した撤退プランも整理しておきます。
テスト導入や販売を開始してしまうと簡単に撤退できなくなる場合があります。

撤退しやすく撤退コストもそれほどかからない場合は、その時点までは安心して進めることができます。
一方、撤退しにくい場合や撤退するのに膨大なコストがかかる恐れがある場合は、慎重に進める必要があります。

企画段階で撤退のことを考えるの?という声も聞こえてきそうですが、判断者からすると重要なポイントです。

■ まとめ

企画の進め方【その1】でお伝えした、「企画をスタートする前にやっておくべきこと」に続き、企画の進め方【その2】として、企画の中で最も重要なプロセスである仮説の構築とその検証についてお伝えしました。

アイデア(仮説)をたてたらそれを検証し、また仮説をたて検証を繰り返していきます。
どんどん出てくる課題をつぶしながら企画を研ぎ澄ませていきます。
このプロセスをいかに高速でまわせるかが確実な企画となるかを左右します。

企画の進め方【その3】では企画の導入計画についてお伝えします。
不明点やご質問があればお気軽にご連絡ください。

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