企画案について営業部門に意見を聞く? 聞かない? 企画と営業の役割の違い

2020.11.21

あなたは企画案について営業部門の意見をどの程度聞いていますか?
営業部門の意見はあくまで意見として聞きながら、未来の企画は企画の責任で進めましょう。
企画部門と営業部門の関係についてお伝えします。

あなたは企画案について営業部門の意見をどの程度聞いていますか?
関連部署、特に営業部門の意見をどの程度聞くかについては、企画マンによっていろいろな考え方があります。
また企画部門のトップもその人のポリシーによって、営業部門の意見を聞くかどうかについての指示のスタイルにいくつかのタイプがあるのです。
ここでは、企画マンが自分の企画案について営業部門の意見をどの程度聞くのかについて、タイプ別にそれぞれのメリットや注意点をお伝えします。

■企画案について営業部門の意見を聞く?聞かない?

企画の初期段階ー企画案を検討している段階で、あなたは企画案について営業部門の意見をどの程度聞いていますか?
私は長年企画を担当してきましたが、周りの企画マンの考え方によって、あるいは企画部門のトップマネジメントのスタイルによって、大きく分けて3つのタイプがあると感じています。

①営業部門には聞かない、言わない
②営業部門の話は聞くが、必ずしも言うとおりにはしない
③営業部門が売れると言うものを企画する

結論から言うと、「聞く、聞かない」は、企画の内容や段階によってうまく使い分けるのがコツですが、パターンを把握しておくと企画をよりうまく進めることができます。

それぞれのタイプを見ていきましょう。

■①営業部門には聞かない、言わない

あるときの部門のトップがこのスタイルでした。
理由はこうです。

「企画は3年後、5年後*を創るのが仕事」に対して、「営業は今日明日のものを売るのが仕事」で、そもそも仕事の役割が違う。
(*時間軸はビジネスによって異なります)

企画は今日明日に売れるものを考えてもダメ、3年先、5年先あるいはそれ以上を見て企画する必要があります。
さらにはまだ誰も気づいていないものを考えるのが企画の仕事です。

これは企画、営業以外の部門にも同じことが言えます。

R&D(リサーチ&デベロプメント / 研究開発 )の担当者の「 自分のアイデアに企画の賛同が得られない 」という悩みに対して、 先ほどの部門のトップは 「R&Dは10年先、20年先を見ないとダメなのに、3年先を見ている企画の意見に左右されるな 」 という指示を出しました。

各部門の仕事の進め方を「先を見据える」という時間軸で捉えると、企業やカテゴリーによって部署の役割は異なりますが 以下のような順序になると思います。

R&D → 開発 → 企画 → 設計 → マーケティング → 営業

良い悪い、正しい正しくないではなく、部門ごとに仕事の役割や見ている時間軸が異なるのです。
R&Dは企画より先を、企画は営業より先を見据えた仕事の仕方をしなければなりません。

意見を聞く、聞かないはそのときの状況次第ですが、この点はしっかりと心得ておくことが大切です。

■②営業部門の話は聞くが、必ずしも言う通りにはしない

別の部門トップの言葉です。
私も基本はこのスタイルです。

営業部門は現時点での顧客やステークホルダー(利害関係者)の不満や課題をよく知っています。
また、営業部門にも企画センスがある人はたくさんいます。

そういう人からよいヒントが得られることも多くあります。 また、日ごろ頑張って売ってくれている営業マンたちの苦労を聞くことはある意味で大切です。

ただし、今のことを話題にしているのか、将来のことを話題にしているのかの時間軸をしっかり押さえながら話しを聞くことが重要です。

営業部門のヒントを元に企画したら、他社が先に同じようなものを出してきたということも少なくありません。

あくまで未来のことは企画が責任をもって進め、判断する姿勢が大切です。
未来のことについて正解は分かりません。
そこを判断するのも企画の仕事です。

■③営業部門が売れると言うものを企画する

こういうスタイルで企画を進める企画マンも多くいます。
マネジメントから営業部門が売れると言うお墨付きをもらうようにとの指示もよくあります。

・営業が売れると言うものをつくるのが最も確実
・売れると言ったのだから売ってもらう

などがこのスタイルで企画を進める理由です。

確かに比較的短期の商品や顧客課題解決型の商品、サービスには有効な手法かもしれません。
ただし、あくまで企画は企画の責任、営業部門は意見にとどめて、企画の判断で進めていくことが大切です。

このスタイルには「営業部門を味方につける」というメリットもあります。
企画部門のマネジメントからなかなかGoがかからないときは営業部門を味方につけてしまいましょう。
目的は企画を通すため。
営業部門を味方につけ支援のコメントをもらい、マネジメントの承認を取り付けましょう。

■まとめ

「企画案について営業部門の意見を聞く?聞かない?」についてまとめてみました。

・営業部門には聞かない、言わない
・営業部門の話は聞くが、必ずしも言うとおりにはしない
・営業部門が売れると言うものを企画する

いろいろな企画スタイル、マネジメントスタイルがありますが、大切なのは自分の仕事の方針は自分で決めるということです。
意見を聞くときもあくまで参考意見を聞くと言うことであって、責任は企画にあることを忘れずに行きましょう。

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