企画は ”協力者集め” が勝負!企画リーダーの最も重要な役割 ”協力者を集める” 3つのコツ

2020.12.14

新規事業開発、商品・サービス開発の際、企画リーダーにとって最も重要な役割は ”協力者や賛同者を集める” ことです。
企画やプロジェクトは一人では推進できません。
”協力者や賛同者を集める”3つのコツをお伝えします。

新規事業開発、商品・サービス開発での企画の進め方、企画書の書き方については次のブログでお伝えしました。
企画の進め方【その1】企画をスタートする前にやっておくべきこと
企画の進め方【その2】構築と検証
企画の進め方【その3】導入計画をたて方

では、これらを推進する企画リーダーにとって最も重要な役割は何でしょうか?
私は、“協力者や賛同者を集める” ことだと考えています。

「新規事業開発、商品・サービス開発での企画リーダーにとって、最も重要な役割は何だと思いますか?」
「企画リーダーをやってきて最も大変だったことは何ですか?」
などとよく聞かれます。

その時は
「協力者や賛同者を集めることです」
「協力者を集めることが最も大変で重要でした」
とお答えしています。

企画はその新規性が高ければ高いほど、小さいチームで、下手すると一人からスタートします。
ことに自らが新しい企画を提案するときは、当然一人や小さいチームで始めることになります。

けれどもプロジェクトは一人では推進できません。
いかに協力してくれる人を集めるかがカギとなります。

ここでは、いかにして協力者を集めるかについてお伝えしたいと思います。

■ 企画の役割

企画とは辞書を開いてみると次のように定義されています。

”実現すべき物事の内容を考え、その実現に向けての計画を立てること。立案すること。また、その計画や案。” (三省堂 大辞林 第三版)


けれども、企画マンに求められる役割は単に「アイデアを出し、計画を立てること」ではなく、「アイデアを出し、検証し、計画を立て、さらに企業においては、承認者の承認を得る」ことといえます。
さらに言えば、企画が承認された後もその事業・商品・サービスが世の中にリリースされるまで、そのコーディネーションや都度の判断は、企画マンに求められる責任の範囲になります。

これらをまとめると企画マンの役割は以下のようになります。

・企画への条件などの確認
・アイデアの立案と検証
・導入までの計画づくり
・企画推進での都度の判断
・プロジェクト全体の導入までのコーディネート


では、企画のリーダーはこれらの役割をどう推進していくのか、最も重要なものはなにかについてみていきましょう。

■ 協力者を集めるのが企画リーダーの最も重要な役割

では、こらら企画の役割(業務)をどう進めるか。
当然一人では進められません。
いかに協力してくれる人たちを集められるかが勝負となります。

自分にスキルがある分野は自分で推進することもできますが、それらすべてを自分で行っていると時間がいくらあっても足りません。
また通常はプロジェクトの大半は自分ではできない業務です。

それらに協力してくれる人を探し、説得し、手を動かしてもらう必要があります。

担当する部署や人があらかじめ決まっている場合はその苦労は小さいかもしれませんが、企画の新規性が高ければ高いほど、近くに手を動かしてもらえる協力者、相談できる有識者がいないことが多く、別のグループ、あるいは外部から協力してもらえる人を探しあて、協力してもらえるようこぎつける必要があります。

最速で最大の成果をあげるには
“人をどう巻込むか?”
“協力者をどう集めるか?”

にかかっています。

■ 協力者と賛同者

協力者が重要なことはお伝えしましたが、賛同者も同じくらい重要です。

協力者:手足を動かして実際に協力くれる人
    賛同はしていないが業務として協力しているケースもあり
賛同者:その企画に賛同、ポジティブな意見を持ち、応援してくれる人

企業の場合、担当者の協力を得るにはマネジメント判断となる場合も多く、マネジメント層の賛同を得ておくことは、協力者集めより重要なことも多いでしょう。

企画を推進していると、反対する人が現れたり、うまく行かず壁にぶつかることが必ずあります。
その際に賛同者が多くいると、賛同者から協力者、有識者を紹介してもらえるなどとても助けになることがあるのです。
ただ賛同者について注意すべき点があります。
賛同者に悪気がなくても、知らないうちに話が大きくされすぎて、企画を進めにくくなってしまうことがあります。
その点には常に気を配っておくことが必要です。

■ 協力者、賛同者を集めるための3つのコツ

「私の企画に協力してください!」と言って簡単に協力してもらえるほど甘くはありません。
トップダウンでない限り、海のものとも山のものとも分からない企画にすぐに協力してくれる人は少ないでしょう。

私の経験から協力者、賛同者を集めるコツは次の3つです。

1.協力者のメリットを明確にする
2.大義、ミッションを明確にする
3.まず自分でやってみる、少なくとも調査、勉強はする

1.協力者のメリットを明確にする

これは説明するまでもないと思います。
協力者にメリットが有るのか、無いのか、有るならば具体的な内容を整理しておきます。
自分達の成果になるなどメリットが明確になっていれば協力は得やすいですね。

2.大義、ミッションを明確にする

私的にはこれが最も重要な要素です。

協力者にメリットがあればよいですが、無い場合も多くあります。
また、メリットがあるから協力してくれる場合は、当然ながら協力者の目的は企画自体への協力ではなくそのメリットにあります。

ここで重要となってくるのが、企画やプロジェクトの大義、ミッションになります。

「プロジェクトの”理念”や”ミッション”の明文化が企画を強くする!」の記事で、企画やプロジェクトに最も重要な項目はミッションを明確にすることとお伝えしていますが、それがこういうところで強力に活きてきます。

ミッションには2つあります。

●1.”会社に対してのミッション”
売上げ、シェアの向上、そして会社として新規事業を立ち上げるなどがあります。

●2. “外部・社会に対してのミッション”
その企画が世の中にどう貢献するのか、自分はどうしたいのかを明確にしておくことです。

後者の ”外部・社会に対してのミッション” が明確なほど、真の賛同者、協力者が現れます。

真の賛同者、協力者は、企画やプロジェクトがうまく行かないときにも支持してくれます。
このような真の賛同者、協力者をたくさん募ることができれば企画は強くなります。

3.まず自分でやってみる、少なくとも調査、勉強する

3つ目はすぐに協力者が集まらないときの心得です。

自分が詳しい分野でない場合に、協力者がいないからと言ってやめるわけには行きません。
その場合はまず自分でやってみることです。
技術知識や専門知識が必要な場合は、少なくとも調査や勉強は自分で行い、その先はどうしても無理と言うところまで進めます。
そうすると、不思議と協力者が現れたり、その熱意が伝わり賛同者が協力者を紹介してくれたりします。

エンジニアや専門家もいきなり依頼されるよりも、その努力を認めてくれ「そんなんじゃダメでしょう」とか、「全然だめだねぇ」と言いながら手伝ってくれることが多くなります。
「このプロジェクトは自分がいないと進まない」と思ってもらえることが重要です。

同時に、自分自身にも知識がつくため、エンジニア、専門家との会話の質が向上します。

協力者がすぐ現れない場合もあきらめず、少しでも進めてみてください。

■ まとめ

企画リーダーの最も重要な役割についてお伝えしました。

企画リーダーの役割自体はたくさんありますが、最も重要な役割は協力者・賛同者集めです。

先日、経営者の方とお話しした際も
「経営者で一番大事なことは仲間つくりだ」
と言われていました。
同じですね。

企画リーダーは、
・協力者が現れるまでは自分で頑張る
・マネージャーとメンバーの間に挟まれる
・関係者から判断を求められる
など孤独な作業が多々あります。
悩みの毎日だと思います。

一方、企画が進み、真の協力者や賛同者が増えてくるのは非常にやりがいがあるものです。
協力者や賛同者は企画自体を支持するというより、リーダーのあなたを支持してくれています。

どんどん巻き込み、真の協力者、賛同者を増やしていきましょう。
それによって企画はどんどん強くなっていきます。

ご質問、感想など頂けるとうれしいです。

企画推進に役立つ記事をメルマガとしてほぼウィークリーで発信しています。
ぜひ、こちらからご登録ください。
いつでも解除可能です。

一覧に戻る ≫

新着記事